NHK『未解決事件』で田中俊介が蓮池薫さん役に。俳優としての葛藤と決意

ドラマ

10月18日にNHKで『未解決事件File02』が放送されます。
2002年に一部の拉致被害者が帰国して、今年で23年。
帰国者の一人、蓮池薫さんが北朝鮮で過ごした年月が24年ですから、それと同じくらいの年月が過ぎてもなお、この問題は未解決のままです。
この番組は、ドラマとドキュメンタリーの2本立てで、ドラマでは蓮池薫さん役を田中俊介さんが演じます。
このセンシティブな問題に向き合い、実在の人物を演じるにあたっては相当な覚悟を持って臨んでいます。
放送を前に、田中俊介さんのインタビューや役への向き合い方を調べながら、このドラマが私たちに問いかけるものを考えてみました。

『未解決事件File.02』北朝鮮拉致事件

1970年代から、福井県、新潟県、鹿児島県などで拉致事件が相次いで発生しました。
なかでも1978年7月31日、蓮池薫さんが新潟県柏崎市で拉致された事件は、当初は不可解な失踪として扱われ、北朝鮮による拉致と認定されるまでに長い時間を要しました。
政府が認定した17人のうち、帰国できているのは5人だけであり、残りの12人については安否さえもわかっていない。

ドラマでは長年北朝鮮と対じしてきた外事警察の捜査員や幹部への取材をもとに、当時の知られざる捜査の裏側を映像化。さらに1978年に北朝鮮に拉致され、24年間現地での暮らしを余儀なくされた蓮池 薫さんも制作に協力。

北朝鮮工作員を追う外事警察の捜査官役に高良健吾さん。蓮池 薫さん役は田中俊介さんが演じます。

「拉致の解決を阻むものはなにか?」 国家と個人、その狭間でもがき続けた人々を見つめます。
出典:NHK

自分の意志と関係ない、見知らぬ場所へ無理やり連れていかれ、家族と引き離され、そこで生きていくしかない現実を受け入れざるを得なかった心情とはどれほどだろう?
ある日突然、大切な人が忽然と姿を消してしまったら…
家族が理不尽に引き離されていいはずがありません。
引き離されたままでいいわけがありません。

蓮池薫さん役を演じる田中俊介の覚悟

この未解決でセンシティブな問題に向き合い、実在する蓮池薫さんを演じることにあたって、田中俊介さんは「はい、やります」と即答できなかったほどの重みと責任を感じて臨んでいます。

解決していない事件を扱ったドラマへの出演には大きな責任も覚悟も必要なので、軽々しくは決断できませんでしたが、監督とプロデューサーの熱い思いに応えたいという思いもあり、お引き受けしました。
出典:NHK

彼は、ドラマへの出演を決めるまでに時間を要した理由をこう語っています。

蓮池さんの役を演じるにあたり、自分で調べて徹底的に自分の中に入れてはいましたが、それでは納得がいかず、新潟県で蓮池さんご本人にお会いしました。2時間たっぷりと当時の心境などを話してくださり、そこで演じる覚悟が決まりました。作品に参加して、何かひとつでも拉致事件が進展してもらえないかと今改めて思っています。
出典:NHK

当事者である蓮池さんは今なお未解決であることに大変な危機感を持っておられるからこそ、一つ一つの言葉に重みがあるのでしょう。

実在の人物を演じる難しさもあるでしょうし、そして実際に起きた大変な出来事。
その難しさと向き合いながら、「このドラマを通して、拉致事件が少しでも前に進んでほしい」という願いを胸に、覚悟を持って臨んでいます。
その思いは、私たち視聴者にも静かに問いかけてくるようです。

田中俊介のプロフィール

生年月日:  1990年1月28日
出身:    愛知県小牧市
血液型:   B型
身長:    175㎝

BOYSANDMENの元メンバー。
2019年11月、BOYS AND MEN脱退。
グループ脱退後は俳優としてテレビ・舞台・映画などに多数出演。
2025年前期連続テレビ小説『あんぱん』の 粕谷将暉役が記憶に新しいですね。

このドラマにかける意気込みと覚悟は相当なものですが、「この事件は終わっていない。風化させてはいけない。」という強い思いも感じます。
田中さんがどのように蓮池さんを演じられるのか、深く注目しています
そしてこれからも、役者としてどんどん幅を広げて活躍していかれるでしょう。

まとめ

ある日突然、有無を言わさず家族と引き離されることを想像してみたら、どんな気持ちがするでしょう?
胸が張り裂けるような絶望しかないはずです。
所詮他人の家族の出来事──そう思ってしまうかもしれません。
でも、これほどの年月が経ってもなお、解決に至っていない現実に、言葉を失います。
当事者の蓮池さんはもちろん、このドラマを製作したスタッフやキャスト一人ひとりが、この問題を「解決すべき課題」として真摯に受け止め、作品に向き合っています。
このドラマを一人でも多くの人が観て、自分事として考え、世論を動かし、解決に向かってほしい──そう願わずにはいられません。

 

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